キイロスズメバチの特徴
危険性 | |
外見的特徴 | 赤みを帯びた黄色 体全体が体毛で覆われている |
性質 | 警戒心が高く攻撃的 |
分布 | 本州〜九州 |
活動時期 | 3月〜11月ごろ |
キイロスズメバチは、ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科スズメバチ属に属する昆虫の一種で、日本では本州〜九州、南限は屋久島に生息しており、北海道に生息する「ケブカスズメバチ」の亜種になります。
名称に「キイロ」と付いているように、スズメバチ属の中では黄色っぽい色をしており、スズメバチ属の中でも最も小型のスズメバチです。
ケブカスズメバチの亜種ということもあり、頭から胴まで毛が生えていることも特徴です。
攻撃性がオオスズメバチに次いで高く、非常に警戒心の強い蜂なので、巣から10m以上離れていても威嚇行動をされることもあり注意が必要です。
活動初期は土の中や屋根裏、床下などの閉鎖空間に巣を作りますが、働き蜂が増えてくると巣のスペース確保のため開放空間に巣を引っ越すケースがほとんどです。
日本に生息するスズメバチの中では巣の規模が最大級で、働き蜂の数も1,000匹を超える規模の大きさになることもあります。
都市部でも適応能力があり、軒下やベランダに巣を作るケースも多く、気づいたときには刺激を加えていた・刺されていたというケースがあるので注意が必要な蜂です。
都市部での適応能力があることや、人家に巣を作ることが多いことから、日本ではキイロスズメバチの被害が多く報告されています。
攻撃性だけでなく毒性も高く、死亡事故も多数報告されており注意が必要です。
秋口は天敵であるオオスズメバチから襲撃されることへの警戒で、より一層攻撃性が増している時期となるため、多くの被害は秋口に集中しています。
キイロスズメバチに遭遇したら
遭遇した際にはすでに攻撃を仕掛けられることも多いほど、警戒心と攻撃性が高い蜂ではありますが、遭遇した際に攻撃されない場合は、刺激しないよう立ち去ることが刺されないためには重要です。
キイロスズメバチに限らずスズメバチは、警戒対象の周りを威嚇するよう飛んだり、顎をカチカチとならして警戒行動を取りますが、その際に手で振り払ってしまうと攻撃されたと勘違いした蜂に一斉攻撃されてしまう可能性がありますので、手で振り払う行為はNGです。
またスズメバチは動くものを襲う習性があるため、キイロスズメバチに遭遇したからといって走って逃げてしまったりすると警戒対象から攻撃対象になってしまう可能性があるので、離れる際はゆっくりと後ずさるように離れる必要があります。
その他にも、大きな音や大声、振動なども蜂を刺激する要因となるため、なるべく静かに立ち去ることが大事です。
ただし、キイロスズメバチは軒下やベランダなど、気づかぬうちに巣に急接近して、気づいたときには攻撃されているということもあります。
警戒状態の場合は刺激せず立ち去ることが重要ですが、キイロスズメバチは警戒フェロモンを含んだ毒液を飛ばしてくることがあり、これを浴びてしまうとその他の蜂も集まってきて集中砲火を浴びる可能性があります。
集中砲火されると、刺される箇所と毒の量が増えて危険ですので、毒液を浴びて集中砲火される恐れがある場合、または集中砲火を浴びてしまった場合は蜂が追って来なくなるまで全速力で逃げましょう。
キイロスズメバチに刺されたら
キイロスズメバチに刺されたら、まずは安全確保のため速やかに巣から離れることが身の安全を守るために重要です。
キイロスズメバチは警戒フェロモンを含んだ毒液を対象にかけることがありますが、このフェロモンは他の蜂を呼び寄せてしまうのと同時に蜂を興奮状態にするもののため、一層攻撃性の高くなった蜂から集中砲火を浴びるという状況に陥る可能性があります。
蜂から集中砲火されている状況では、刺された箇所の応急処置をすることもできないため、まずは安全確保をしましょう。
安全確保ができたら、刺された箇所を流水で流しながら患部をつねり、毒液をなるべく体外に排出します。
毒をなるべく体内に入れないことで、毒による症状を幾分か緩和することができますので、しっかりと毒は出しておきましょう。
蜂の毒を出す際、口で吸い出してしまうと口内の傷口から毒を吸収してしまう可能性があるため、口で吸い出すのはNGです。
毒の絞り出しをした後は、お持ちであれば抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗った後、保冷剤や氷嚢を使って患部を冷やすようにしましょう。
患部を冷やすと刺された箇所の血管を収縮させ、毒が全身に回るのを防ぐことができます。
もし、刺された患部ではない全身症状(体のしびれやめまい、嘔吐、蕁麻疹など)が現れた場合は蜂毒によるアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を引き起こしている可能性があるため救急車を呼び、全身症状がない場合はなるべく速やかに医療機関を受診しましょう。
まとめ
キイロスズメバチはオオスズメバチに次いで攻撃性が高く、毒性も高い蜂です。
オオスズメバチと違って、キイロスズメバチは都市部での適応能力があり、軒下やベランダなどに巣を作ることがあり、ただ生活しているだけで刺されるリスクがあるため注意が必要です。
スズメバチの中でも巣の大きさが最大級になることや、数が多いこと、攻撃性や毒性が高いなどの特徴から、自力でキイロスズメバチの駆除をすることは難しいので、キイロスズメバチの巣を見かけたら速やかに駆除業者に連絡することをオススメします。