フタモンアシナガバチの特徴
危険性 | |
外見的特徴 | 胴体部分に特徴的な2つの紋がある |
性質 | 非常に大人しい |
分布 | 北海道の南部、本州〜九州 |
活動時期 | 4月〜10月ごろ |
フタモンアシナガバチは、ハチ目スズメバチ科アシナガバチ亜科に分類されるアシナガバチの一種です。
セグロアシナガバチ、キアシナガバチに比べると一回り小さく、攻撃性が低い大人しい蜂です。
大人しい部類の蜂とはいえ、巣に近づくと警戒行動は取りますし、巣に触れたり揺らしたりすると刺されますので、巣を見つけた際は安易に近づかないようにしましょう。
胴体に入った黄色い2つの丸い紋が特徴的で、その特徴が「フタモン」の名前の由来となっています。
日本では本州から九州、北海道の南部まで広く生息しており、都市部にも適応しているため都市部でもよく見かける蜂です。
フタモンアシナガバチに似た「トガリフタモンアシナガバチ」という種も存在しますが、主に北海道に生息しているため、本州で見かける場合はほぼフタモアシナガバチです。
北海道南部では2種を見かけることができますが、両種の違いは
- 顎の色の違い
- 胴体部分の縞の本数
- 巣のふたの色
で見分ける事ができます。
フタモンアシナガバチは女王蜂が越冬する際に洗濯物に紛れることが多く、洗濯物を取り込む際やたたむ際に紛れ込んだ嬢王蜂に刺されるという事例が多数報告されています。
フタモンアシナガバチの巣の特徴
開放空間に巣を作り、木の枝や藪の中、生垣の隙間や軒下、瓦の下や家屋の外壁などに巣を作ります。
シャワーヘッドのような形の巣を作りますが、主に巣穴が横向きになるように巣を作ることが多く、平たく巣を拡張していくという特徴があります。
比較的目立たないところに巣を作るので、気づかずうちに巣に刺激を与えてしまうことがあるので注意が必要です。
また低い場所に巣を作ることが多く、草刈りや庭木の選定中、小さい子供が遊んでいる時に巣を刺激してしまうといった事例が多数報告されています。
フタモンアシナガバチに遭遇したら
基本的に大人しい蜂で、巣に攻撃を仕掛けなければ刺されるようなことはまずありませんが、7〜8月頃の活発な時期は攻撃性が上がるため不用意に巣に近づかないようにしましょう。
遭遇した際に大きい声を出したり、大きな動きをすると「攻撃を仕掛けてきた」とみなされ刺されてしまう可能性がありますので、遭遇したら焦らず冷静に巣から離れるようにしましょう。
フタモンアシナガバチに刺されたら
フタモンアシナガバチに刺されたら、まずは追撃を避けるために蜂が追ってこないところまで逃げることが必要です。
刺されれば刺されるほど腫れやかゆみ、痛みが酷くなることはもちろん、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高くなりますので、まずは追撃で刺される状況を回避するために蜂が追ってこないところまで逃げましょう。
蜂が追ってこないことが確認でき、安全が確保されたら応急処置を行います。
まずは毒を少しでも体外に排出するために刺された箇所を強くつねり、毒を絞り出します。
蜂の毒は水に溶ける性質を持っているため、流水で患部を流しながら絞り出すとより効果的に毒を体外に排出できます。
一通り毒を出し終わったら、腫れや赤みを抑えるステロイド軟膏や、アレルギーによる炎症反応を抑える抗ヒスタミン軟膏を塗ることで症状を抑えることができるので、お持ちであれば患部に塗っておきましょう。
薬を塗った後は患部を保冷剤や氷のうなどを使って患部を冷やし、血管を収縮させ毒が回るのを防ぎつつ、念のため医療機関にかかることをオススメします。
じんましん、むくみ、発赤、湿疹、目の充血、喘息、呼吸困難、チアノーゼ、下痢、嘔吐、血便、頭痛、めまいなどの症状が現れた場合はアナフィラキシーショックの恐れがありますので、救急車を呼ぶなどして一刻も早く医療機関を受診しましょう。
まとめ
フタモンアシナガバチは都市部で多く見かける蜂ではありますが、基本的には大人しい蜂なので仮に生活圏内に巣を見つけたとしても脅威は大きくありません。
むしろ青虫やカメムシなどの害虫を捕食してくれるため、有益な存在です。
しかし、フタモンアシナガバチは藪の中などの比較的低い位置に巣を作ることが多いため、子供がいたずらして刺されるケースもありますので注意が必要です。
また毒性は低いとはいえ蜂毒によるアナフィラキシーを引き起こす可能性はありますので、蜂毒アレルギーをお持ちの方は万一を考えて駆除してしまうことをオススメします。