一見するとハエやアブ!スズメバチらしくないスズメバチ、クロスズメバチについて

目次

クロスズメバチの特徴

危険性
外見的特徴全体的に黒く、白いラインがある
体長10〜18mmと小さいスズメバチ
性質非常におとなしい
分布北海道〜奄美大島
活動時期4月〜12月ごろ

クロスズメバチは、ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科に分類されるスズメバチの一種です。

「クロスズメバチ」の名前が表すように、他のスズメバチと違い全身が黒く、白いラインが入っていることが特徴です。

また体長は10〜18mmとスズメバチの中では小型の部類に入るため、体の色と相まって一見するとハエやアブのように見えます。

日本では北海道から奄美大島まで広く分布し、主に平地から低山地に生息しています。

主に地中に好んで巣を作り、稀に木の洞や屋根裏にも巣を作ることがあります。

性格は非常に大人しく、こちらから攻撃を仕掛けない限りは襲っては来ませんが、主に土の中に巣を作ることから気づかぬうちに巣に接近してしまい、クロスズメバチを怒らせてしまう可能性もありますので注意が必要です。

クロスズメバチは地方によってはヘボ・ジバチ、タカブ、スガレと呼ばれ、幼虫や蛹が珍味として食されています。

クロスズメバチの巣の特徴

クロスズメバチの巣は、他の多くのスズメバチと同じようにマーブル模様のボール型の巣を作ります。

しかしクロスズメバチは主に土の中に巣を作るため、他の多くのスズメバチのように一見して「スズメバチの巣だ」と分からないため、巣の規模や巣がある場所を特定することが難しいです。

そのため、気づかぬうちにクロスズメバチの巣に接近してしまい、刺激を与えてしまって刺されてしまうということもあるため注意が必要です。

地面に埋まっていて巣が見つかりにくいとはいえ、巣がある場合はクロスズメバチが出入りするため、飛んでいたクロスズメバチが急に消えた場合は近辺の巣に出入りしている可能性が高いため、に巣がある可能性が高いため注意しましょう。

クロスズメバチに遭遇したら

クロスズメバチはスズメバチの中でもおとなしいため、こちらから攻撃を仕掛けたり、むやみに巣に近づいたりしなければ至って無害です。

しかし外見がハエやアブに見えることから、手で払ったりすることで攻撃されたと思って怒って刺してくることがあるため注意が必要です。

また巣が地中にあることから、気づかぬうちに巣に近づいてしまい、クロスズメバチを怒らせてしまう可能性があることにも注意が必要です。

クロスズメバチは小さい蜂ですが、羽音に関しては他のスズメバチと同じような大きい羽音がするため、羽音に注意していると上記の様な事態を防ぐことができるため、蜂の羽音がしたと思ったら周りを注意深く観察するようにしましょう。

仮に気づかぬうちに巣に近づいてしまった場合は、手で払ったり、急な動きをしてしまうと攻撃されたと勘違いされる可能性があるため、ゆっくりと巣から離れるようにしましょう。

クロスズメバチはスズメバチの中でも毒性が弱いとされていますが、だからといって油断は禁物です。

クロスズメバチの毒にもアナフィラキシーショックを引き起こす成分が含まれており、アナフィラキシーショックによって命を落とす可能性もありますので、なるべく刺されないような立ち回りをするよう努めましょう。

クロスズメバチに刺されたら

もしクロスズメバチに刺されてしまった場合には、追撃で刺されることを防ぐため、クロスズメバチの巣やクロスズメバチから距離を取るようにしましょう。

何度も刺されたり、集団で刺されたりすればするほど体内に注入される毒の量が増え、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高くなってしまうため、まずは刺されないような状況にすることが重要だからです。

蜂からの追撃がされない場所まで避難が完了したら、体内に注入された毒を排出するため、刺された患部をつねって毒をなるべく体外に排出します。

蜂の毒は水に溶けやすい性質を持っているため、毒を排出する際に清潔な水が使える状況下の場合、流水で流しながら患部をつねることでより効果的に毒の排出を行うことができます。

ある程度毒の排出ができたら、腫れを抑えるステロイド成分や、アレルギーによる炎症を抑える抗ヒスタミン成分が入った塗り薬を塗るとなお効果的です。

また、刺された患部を氷嚢などで冷やして血管収縮させることで毒の吸収を抑えることができるため、患部を冷やしておくことも効果的です。

刺されたあとにアナフィラキシーの症状が出ていなければ病院にかかることは必須ではありませんが、心配であれば皮膚科や内科にかかるようにしましょう。

じんましん、むくみ、発赤、湿疹、目の充血、喘息、呼吸困難、チアノーゼ、下痢、嘔吐、血便、頭痛、めまいなどの症状が現れた場合はアナフィラキシーショックの恐れがありますので、救急車を呼ぶなどして一刻も早く医療機関を受診しましょう。

まとめ

クロスズメバチはスズメバチの中でもおとなしい性格の蜂です。

クロスズメバチは蜂っぽくない外見と小ささから一見すると蜂には見えませんが、ハエやアブだと思って手で払ったりすると攻撃されたと勘違いしたクロスズメバチに刺されてしまう可能性があるため注意が必要です。

また、クロスズメバチは主に地中に巣を作り、気づかぬうちに巣に接近してしまう可能性があるため、近辺をクロスズメバチが飛んでいる場合には注意が必要です。

スズメバチの中でも最も凶暴なオオスズメバチも土の中に巣を作ることが多いので、ハイキングやキャンプなどの自然豊かな環境下での活動の際は、攻撃対象と認識されやすい黒っぽい服や、蜂を興奮させてしまう香水や匂いの強い整髪料などは避けるようにしましょう。

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