庭木に潜む危険！都市部で刺傷報告多数のスズメバチ、コガタスズメバチについて

2023年12月18日2023年12月27日

コガタスズメバチの特徴

危険性
外見的特徴	オオスズメバチに外見が酷似オオスズメバチより一回り小さい
性質	比較的大人しい
分布	北海道〜琉球諸島
活動時期	4月〜11月ごろ

コガタスズメバチはハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科に属するスズメバチの一種で、オオスズメバチに非常によく似た外見をした蜂です。

名前に「コガタ」とついていますが、オオスズメバチに比べ小型というだけであり、スズメバチの中でも大型な部類に入ります。

オオスズメバチより一回り体が小さいことや、顔の中央にある鼻のような「頭楯」という部分の突起の数の違い、頬の部分の広さなどでオオスズメバチと見分けることができますが、現実的には動いている状態で見分けるのは非常に困難です。

オオスズメバチと非常によく似た外見をしていますが、獰猛なオオスズメバチと違い、比較的大人しい性格のスズメバチで攻撃性はそれほど高くありませんが、毒がありますので刺されないよう注意が必要です。

オオスズメバチについてはコチラ

庭木や生垣に巣を作ることが多く、庭木や生垣のお手入れ中にコガタスズメバチを刺激して刺されるといったケースが多数報告されています。

スズメバチの中で比較的大人しいコガタスズメバチですが、新しい女王蜂が誕生する秋口は、新女王を守るために凶暴化するので注意が必要です。

コガタスズメバチと同じく都市環境でも活動でき、都市部で多くの目撃例、多くの被害が報告されています。

一部の都市や地域ではキイロスズメバチよりも多くの被害が報告されています。

キイロスズメバチについてはコチラ

コガタスズメバチの巣は女王蜂のみが巣作りを行う初期と、働き蜂が巣作りを行うようになった後期で巣の形が異なります。

初期は徳利を逆さにしたような形をしており、後期はボール型になります。

スズメバチの巣としては小さめで、最終的に直径10〜40センチ程の大きさになります。

人の生活圏に近い、庭木や生垣などに巣を作り、茂みや目立たないところに巣を作るため、うっかり巣に近づいてしまうことがあります。

木の枝などを巻き込むような形で巣が作られるため、木の枝が揺れると巣も揺れ、それがコガタスズメバチを攻撃したとみなされる可能性があるため、庭木や生垣のお手入れや農作業をする際はコガタスズメバチに注意しましょう。

コガタスズメバチはスズメバチの中でも比較的大人しい蜂のため、新女王蜂が誕生してピリピリしている8〜9月ごろを除き、巣まで1〜2mまで接近しても襲われないこともあります。

しかし、動きや音などで刺激を与えてしまった場合は一斉に攻撃されるため、比較的大人しいからと言って油断は禁物です。

スズメバチは急な動きや大きな音、巣への干渉によって「攻撃された」と勘違いして興奮状態に入りますので、もし気づかぬうちにコガタスズメバチの巣に近づいてしまったら、ゆっくり静かに巣から離れるようにしましょう。

もし、すでに攻撃状態に入っていたり刺されたりした場合は、ゆっくり巣から離れていては一斉攻撃の的にしかならないので、一刻も早く速やかに巣から離れましょう。

コガタスズメバチの追跡距離は10ｍ程と言われていますので、少なからずそれ以上は走って逃げることが一斉攻撃されないためには必要です。

コガタスズメバチに刺されてしまったら、まずは追撃で刺されないためにも速やかに巣から離れましょう。

巣から離れたら、蜂が追ってきていないかの確認を行った後、毒をなるべく体外へ排出するため、刺された箇所を流水で洗い流しながら患部をつまんで毒を絞り出します。

毒を絞り出した後は、お持ちであれば抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗った後、患部を冷やし、念のため医療機関で受診することをオススメします。

もし全身のしびれや、下痢、嘔吐、息苦しいなどの症状が表れた場合は、蜂毒アレルギーによって「アナフィラキシーショック」を起こしている可能性があるので、なるべく速やかに医療機関を受診してください。

コガタスズメバチの毒はオオスズメバチやキイロスズメバチなどに比べ弱いです。

しかし、ミツバチやアシナガバチに比べ痛みや毒性は強く、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性がありますので、刺された際にはしっかりと毒を排出し、然るべき対応を行うようにしましょう。

コガタスズメバチは都市部にも対応した蜂で、地域や都市によってはキイロスズメバチよりも多数の刺傷被害が報告されています。

スズメバチの中では比較的大人しい蜂ではありますが、巣を作る場所が人の生活圏に非常に近いことから、気づかぬうちにコガタスズメバチの巣に近づいてしまって刺されてしまうというケースが多数です。

毒性はそれほど強くないとはいえ、アナフィラキシーショックによって死亡することも無いわけではありませんので、生活圏内に巣を発見した場合は速やかに業者に連絡して駆除してもらいましょう。